第82回UBI研究会・参加報告（織）

学会情報

発表概要

タイトル

ムーミンムーブ利用者の特性と熱中度に応じた歩行行動の変化に関する分析

内容

ムーミンムーブのインストール前後における歩数の変化について，インストール前の歩行習慣や，アプリケーションへの熱中度に応じて分析した結果，歩行習慣がないユーザやアプリケーションに熱中したユーザほど歩数の増加が確認された．

質疑内容

• 熱中度の定量化について
  • アプリケーション内部のレベルを利用するべきではないのではないか
  • アプリケーション起動回数から算出できないか
  • ユーザに対する直接のアンケートの実施はしないのか

体験記

特に個人的に印象的だった発表を紹介します．

EmoGO: In-the-Wild環境におけるアイトラッカーと物体検出を用いた周辺環境に対する推定感情収集システム動作実験

散歩をしていて，何を見て何を感じたかを収集・記録するシステムを目指して，アイトラッカーによる目の動きと感情の対応をとるモデルを作成し，キャンパス内やお寺で評価実験を行っていました．

スマホを持ち歩くだけで歩数が記録されるように，何を見たか，何を感じたかをカメラを構えなくても記録できるような世界を予感させる発表でワクワクしました．

カメラ搭載型バイオロガーを活用した野生生物の希少行動の自動記録

野生生物の稀少行動を記録するには長時間カメラで撮影し続ける必要がありますが，バッテリーや記録容量の限界があるため実現が難しい問題があります．本発表では加速度の情報を利用して行動が稀少であると推測されるタイミングにのみカメラを起動することで，実際に稀少行動の記録に成功していました．

まとめ

発表された内容それぞれは多様であり，類似しているわけではありませんでした．しかし、新しいシステムで社会をより良くしようという共通のテーマがありました．屋久島の大自然に囲まれて，コンピューティングシステムがどのように人と関わりあうのが良いのか考えさせられました．