IEEE BigData 2025・参加報告(浅井 海斗)

IEEE BigData 2025 において RiSA の研究発表を行っている様子

学会情報

発表概要

タイトル

RiSA: Risk-aware Situational Assistant : From Risk Forecasting to Actionable Driver Advice

内容

本研究では,自然運転データを用いた将来リスク予測と,視覚言語モデルによる状況理解を統合したRisk-aware Situational Assistant(RiSA)を提案した.提案手法では,周囲車両の将来軌跡予測および運転環境の構造化認識に基づき,ドライバーが直感的に理解可能な自然言語による運転助言を生成する.これにより,従来の運転支援システムでは困難であった「なぜその行動が必要か」を明示的に伝える支援の実現を目指している.

デモ動画

本研究で提案した RiSA の動作例として,
将来軌跡予測と運転環境認識に基づく
運転助言生成の一連の流れを示すデモ動画を以下に示す.

IEEE BigData 2025 において RiSA に関する研究発表を行っている様子

IEEE BigData 2025 における RiSA(Risk-aware Situational Assistant)の研究発表の様子

質疑内容

発表後の質疑応答では,主に以下の点について質問があった.

  • 環境認識モジュールの設計について
    環境認識モジュールにおいて,どの程度まで状況を定義しているのか,また,提案手法で用いている 24 項目の質問には具体的にどのような内容が含まれているのか,という点について質問があった.

  • デモ動画の作成方法について
    デモで使用した動画が,どのような手順で生成されているのか,実際の処理フローや可視化方法について質問があった.

体験記

本学会は,自身にとって人生で初めて参加した学会であり,
また初めての国際学会での発表でもあった.
発表当日は,多くの参加者が足を止めて発表を聴いてくださり,友人や海外研究者,企業関係者の方々からも声をかけていただいたことが非常に印象的であった.

国際学会という場で研究成果を発表したことで,
自身の研究が国内にとどまらず,世界に向けて発信され得るものであることを実感した.
今回の経験を通じて,研究を発表することの意義や,
国際的な議論の場に参加する重要性を強く感じた.

受賞

本発表に関連して,IEEE BigData 2025 における
Student Travel Grant Award を受賞した.

本賞は,国際会議への参加を支援することを目的として,
学生およびポスドク研究者を対象に授与されるものであり,
全応募者の中から約40名が選抜される.本研究発表が評価され,本支援を受けることができた.

IEEE BigData 2025 Travel Grant Award の受賞者一覧が会場スクリーンに表示された様子

IEEE BigData 2025 における Student Travel Grant Award の受賞者一覧が会場スクリーンにて発表された様子

学術交流・研究室訪問

Student Travel Grant Award による学会参加の機会を通じて,
マカオ大学の研究室を見学する機会を得た.
現地では,自動運転および関連分野における研究環境や,
研究設備について紹介を受け,研究の進め方や国際的な研究体制について理解を深めることができた.

海外の研究室の雰囲気や研究体制を直接見ることは初めての経験であり,自身の研究や将来の進路を考える上でも,非常に刺激的で有意義な機会であった.

 

マカオ大学キャンパスの建物外観

Student Travel Grant Award に関連して訪問したマカオ大学キャンパスの様子

また,開催地であるマカオでは,学会の合間に現地ならではの文化を体験する機会もあった.その一つとして,滞在中にカジノを訪れ,少額でゲームを体験した.

参加したのは,3つのサイコロを用いた大小(Big/Small)のゲームであり,「3つのサイコロのうち,少なくとも1つで特定の目(今回は3)が出た場合に配当が得られる」というルールであった.

初めての体験であったため,感覚的に賭けるのではなく,
事前に確率を確認し,どの程度の期待値になるのかを考えた上で参加した.その上で50HKDを賭けたところ,実際に1つのサイコロで3が出て配当は100HKDとなり,その時点で終了した.

なお,カジノ内は撮影禁止であったため,写真は撮影していない.本学会への参加を通じて,研究発表のみならず,開催地の文化や雰囲気を直接体験できたことも,国際学会ならではの貴重な経験であった.