SIGGRAPH Asia 2025・参加報告(相浦)

学会情報
| 参加した学会名 | SIGGRAPH Asia 2025 |
| 開催場所 | 香港(Hong Kong Convention and Exhibition Centre) |
| 日程 | 2025/12/15-2025/12/18 |
| 報告者 | 相浦 航 |
発表概要
タイトル
ImaginaBook: Guiding Virtual Child Smiles via Behavioral Cues
in XR Picture-Book Storytelling
著者
Wataru Aiura, Masanori Yamada, Shogo Fukushima
内容
本論文では、保育士を目指す学生が、絵本の読み聞かせをトレーニングするためのVR/MRシステム「ImaginaBook」を提案している。VR/MR環境でバーチャルな子どもアバターに読み聞かせを行い、声の大きさ・話すスピード・姿勢・視線といった行動指標をHMDのセンサで計測し、スコアを算出する。そのスコアに応じて子どもアバターの表情や振る舞い、エフェクトがリアルタイムに変化する。これにより、「バーチャルな子どもの笑顔・反応」という行動手がかりから直感的なフィードバックを得ながら正しい読み聞かせのスキルを学習できる。高校の保育福祉科のクラスでアンケート調査を行い、楽しさと有用性、アバターデザインへの評価が高く、実践的な保育者教育ツールとしての有用性が示された。
論文 https://dl.acm.org/doi/10.1145/3761667.3761951
紹介動画
体験記
SIGGRAPH Asia 2025という香港で行われる国際学会に参加してきました!
福嶋先生がいつも「相浦くんはSIGGRAPHやSIGGRAPH Asiaに行ったら楽しいと思うよ!」と言っていたので、実際に行くことができて良かったです!
1日目
お昼過ぎに福岡を出発し、夕方くらいに香港に到着しました。気候は日本よりも暖かくて、半袖のシャツでもちょうどいいくらいでした。自分は冬が1番嫌いな季節なので、過ごしやすくて嬉しかったです。この日は、明日から始まるデモ発表に備えて準備を行いました。
せっかく香港に来たんだから香港らしいものを食べようと思っていましたが、よく分からないまま注文して食べてお腹壊したら良くないなと思い、すき家を見つけたので結局すき家に行きました。美味しかったです。街中には意外と日本のお店があって、コンビニにも日本の商品は結構あり、滞在中はお〜いお茶を飲んで過ごしてました。

2日目
この日からいよいよデモ発表が始まります。自分のブースに来てくださった方にImaginaBookを体験していただきました。英語があまり得意ではないので、最初は「ちゃんと説明が伝わるかな」と不安でしたが、みなさんとても優しい方ばかりで、なんとか伝えることができました。デモ発表は11:00〜17:00となかなかの長時間でしたが、回数をこなすごとに自分なりの説明の仕方が定着してきて、なんとか乗り切ることができました。

他の体験ブースやポスター展示などもいろいろまわってみました。ゴルフの練習システムや砂とコミュニケーションができるシステムなど、いろいろあって面白かったです。思っていたよりも結構日本の方がいて、英語で話しかけてみたら「日本語で大丈夫ですよ」って言われることが何回かありました笑


3日目
この日はデモ発表に加え、自分の研究内容について10分間プレゼンテーションをする「XRトーク」がありました。思っていたよりも多くの方々が見にきてくれて嬉しかったです!

質疑応答で、「How do you evaluate Reading Posture?」と質問されて、自分は姿勢の評価基準について頑張って話したのですが、その後に「Is it measured using only a headset?」と聞かれたので、「Yes!」と答えました。発表終了後に福嶋先生から、「質問自体が曖昧だったけど、読み聞かせの姿勢の評価基準というよりは、物理的にどうやって測っているのかが聞きたかったんじゃない?」と教えてもらいました。自分はまだ英語のニュアンスなどがあまりよく分からないので、もっと英語を頑張らないといけないなと思いました。でも、なんとか山場を乗り切ることができて良かったです!
この日もいろいろ見てまわりました。手に電流を流してピアノを弾く練習ができるシステムや、頭が楽器のようになる体験、水中を泳ぐようなVR体験などがありました。それと、NVIDIAの講演もあって、いよいよAIがロボットとして人々の生活の中に入り込んでいくんだなと思いました。


4日目
この日は学会最終日でした。デモ発表にもそこそこ慣れてきて説明できるようになりました。
そして、最後にベストデモが発表されました。ベストデモは、Bulb-in-Hand Initiation: An Illusory Altered In-Head Sensation via Colored Hemispheres, Audio Panning, and Head Tappingという、光と音と触覚で、自分の頭の感覚を感じる体験ができるものでした。このデモを出展した方は今回2つのデモを出していて、自分はPercussive Hemispheresという頭が楽器のようになるデモの方を体験したのですが、Bulb-in-Hand Initiationの方も体験したら良かったなと思いました。
また、XRデモは135件の投稿のうち、採択数はわずか26件ということで、とても狭き門でしたが、採択されて本当に良かったなと思いました!

国際学会に参加したのは2回目で、去年の学会よりは英語でコミュニケーションが取れるようになったかなとは思いますが、まだまだ英語を勉強しないといけないなと感じました。今度は本家であるSIGGRAPHを目指して、引き続き研究を頑張っていきたいと思います!
研究についてのアドバイスや論文の添削、発表準備など様々なサポートをしてくださった福嶋先生、山田先生、研究に協力してくださった高校の先生方と生徒の方々、本当にありがとうございました!

