第112回MBL研究会・参加報告(片桐凜太郎)

学会情報

参加した学会名第112回MBL研究会
開催場所愛媛大学 城北キャンパス(愛媛県松山市)
日程2024/9/26-2024/9/27
報告者片桐凜太郎

発表概要

タイトル

磁気センサを用いたバランスボールトレーニングの評価手法に関する提案と実装

著者

片桐凜太郎、中村優吾、荒川豊

内容

[概要]

近年の社会背景から家で行うトレーニングが増えており、デバイスを用いた評価・介入手法が数多く提案されているが、センサを体につけたり、カメラなどのデバイスを設置するため、手軽には行いにくい。我々は、家でのトレーニングとして非常に効果的であるバランスボールトレーニングを簡易的に計測する手法として、磁気センシングに着目し、バランスボールの空気入れ部分に挿し込むピン型磁石とスマートフォンアプリによってバランスボールトレーニングの内容や姿勢の良し悪し計測する手法を提案する。被験者5名に対し、6種類のトレーニングを計測し、機械学習による識別を行ったところ、トレーニング内容の識別においては、K-Foldを用いた交差検証で94.7%、LOPO(Leave-One-Person-Out)を用いた交差検証で60.1%となり、姿勢の識別においては、K-Foldを用いた交差検証で90.7%、LOPOを用いた交差検証で59.7%であった。同時に計測した加速度センサデータによる結果と比較し、本研究の提案手法が優れていることを明らかにした。各個人のトレーニング中の姿勢の状態に差があったことや、悪い姿勢の定義が定量的に出来ていなかったことから、姿勢の識別の精度が良くなかっため、システム改善等を通して、より精度よく計測し、長期的なトレーニングを行うシステムを目指す.

指摘内容
  • 磁石とスマートフォンの位置が計測精度に大きな影響を与えるので、キャリブレーションが難しそう。
  • 時系列データなので、CNNやLSTMを使うことで精度が改善しそう。
  • カメラの方が優れているところが多いので、この提案手法の強みをもっと活かしてほしい。
  • 手軽に計測出来ることとトレーニングを続けるモチベーションは直接的には結びつかないので、ゲームのようなシステムにする方がいいかも。

 

体験記

口頭発表とデモ・ポスター発表どちらも行ったので、かなり忙しい学会になりました。

約一年の学会で、研究テーマも変えたことからかなり緊張していました。 1日目のデモ・ポスター発表では、実際にシステムを見せながら説明を行い、多くのフィードバックを頂きました。口頭発表と違って、気になるところはその都度質問してもらえるので、かなり議論が盛り上がりました。 バランスボールを手動ポンプで膨らませていたのですが、相当時間がかかってスムーズに出来なかったので、次のデモの時には電動ポンプを持っていきます。

 

2日目の口頭発表では、前日のフィードバックを基に発表内容をアップデートし、より良い発表が出来ました。  

 

発表後は、滑り込みで道後温泉に行き、疲れを癒すことが出来ました。

今回の学会で、自分の研究方針が定まってきたのと同時に、残り数ヶ月の研究のモチベーションが高まりました。 自分が納得いく研究を行っていけるよう、日々精進していきたいと思います。